札幌映画サークルの“田口雄三 まったりシネマレビュー”を公開しています

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“田口雄三 まったりシネマレビュー”
【このコーナーでは、札幌映画サークルの会報“シネアスト”に掲載されている記事をピックアップして紹介しています。】


今月も、4回連続で、田口雄三さんの連載“まったりシネマレビュー”をご紹介します。

* この記事は、札幌映画サークルの会報“シネアスト”2018年11月号(#544)から転載しました。

“薄口映画ファン 田口雄三のまったりシネマレビュー”
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(C) 2018 Warner Bros. Entertainment Inc.



第22回:『2001年宇宙の旅』

1968年 アメリカ=イギリス 141分
監督:スタンリー・キューブリック
出演:キア・デュリア、ゲイリー・ロックウッド、ウィリアム・シルベスター、他


10月6日より、東京国立映画アーカイブにて本作の70mm版特別上映イベントが開催された。
オリジナルネガからデジタル処理を行わず作成された“アンレストア版”の上映で、映像の質感から音響効果、果ては上映時の演出に至るまで、1968年の初公開当時を再現するのだという。
いまだ劇場で本作を観たことのないぼくにとっては嫁を質に入れてでも参加する価値のある歴史的イベントではあるのだが、本当に奥さんを質入れするわけにもいかないので今回は参加を見送ることにした。

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人類の夜明けから宇宙への進出、そして無限の彼方へ。
壮大なスケールで描かれる一大叙事詩は、暗闇と静寂とが支配する劇場で没入してこそ初めて“体験”したと言える。
しかし、ぼくの“初 2001年”は14歳のころ、自室にあった20インチにも満たない小さなテレビであった。
異様にゆったりした展開と意味不明な結末に呆気にとられ、本作が名作とされる所以が全くわからずにいたのだが、不思議なもので映像と音の存在感が何年経っても頭から離れず、いつの間にか病みつきになってしまったことを覚えている。
チャチな環境でもそれだけの衝撃を受けたのだから、劇場の大スクリーンで観ていたらどれほど忘れ得ぬ体験となっていたのであろうか。

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あれから約20年。
悉くタイミングを逃し、未だに劇場で『2001年宇宙の旅』を体験していないことが映画オタクとしてのぼくのある種のコンプレックスとなっているのだが、せめてウチの中でだけでも最高の環境で本作を体験するべく、11月発売のUHD Blu-ray版を楽しみに待っているところだ。
最高の映画は、最高の環境で。
それが映画オタクとしてのぼくの流儀であり、意地であるのだ。



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田口:「ねえねえ、誕生日プレゼントの話なんだけどさ、『2001年宇宙の旅』の4K版を頼むよ!」

奥さん:「え? それってサルがウホウホ言ってるやつでしょ? こないだ観てなかったっけ?」

田口:「いやいや、こんどのはUHD Blu-ray、つまり4Kなんだよ! 映像がさらに綺麗にばっているんだよね〜!」

奥さん:「え? でもさ、中に入ってるのは同じ話なんだよね?」

田口:「・・・うん」


・・・それを言っちゃいかんよ、奥さん。

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