札幌映画サークルの“溝口健二監督SELECTION” 感想アンケートを公開しています

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“溝口健二監督SELECTION” 感想アンケート
【このコーナーでは、札幌映画サークルの会報“シネアスト”に掲載されている記事をピックアップして紹介しています。】


今月は、田口雄三さんの連載“まったりシネマレビュー”をご紹介します。

* この記事は、札幌映画サークルの会報“シネアスト”2018年8月号(#541)から転載しました。

“薄口映画ファン 田口雄三のまったりシネマレビュー”
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(C) 2018 Lucasfilm Ltd. All Rights Reserved.


第十九回:『スター・ウォーズシリーズの“これから”について・・・』


先日、大丸百貨店で“夏のアイス・スイーツフェア”が開催された。
全国の有名店のアイス・スイーツを堪能できるというイベントで、アイス好きの奥さんのお蔭もあって3回も足を運んだのだが、そこではっきりとわかったことがひとつある。
やっぱりアイスは王道のミルク味に限る。
いや確かに抹茶ソフトやマスカルポーネチーズアイスもおいしかった。
だが、ミルク本来の味を極限まで追求したシンプルイズザベストを地で行く魅力に前には、どれだけ手の込んだ味も適わなかったのだ・・・なんて話は個人の好みに激しく左右されるものであるため異論はあるだろうが、少なくとも僕に限って言えば下手に斬新な味付けをされるよりも、しっかりと完成度を高めた王道の味のほうが好みのようだ。

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同様の感想を抱くのが最近のスター・ウォーズ(SW)シリーズで、とにかくぼくは『フォースの覚醒』が大好きなのだ。
本作はシリーズの伝統と精神性を見事に受け継ぎ、新シリーズの第一作という重すぎるハードルを越えて多くの批評家・ファンから絶賛された。
だが一方で、“旧作の展開をなぞりすぎている”、“旧三部作ファンに媚びすぎ”などどいった批判が少なくなかったことも事実だ。

だが、これに対してぼくは真っ向から反論したい。
本作が優れているのは、シリーズのお約束ともいうべき“王道”の展開を辿りつつも、レイ、フィン、ポーといった魅力的な新キャラを立てながら旧三部作のキャラクターや世界観とうまく融合させ、非常に自然な形で新時代のSWを描いて見せた点だと思うのだ。
“ファンに媚びている”という批判も本作がジョージ・ルーカスの手を離れてしまったことからくるある種の避けられない運命なのであろう。
シンプルでありながら新たな発見もある、めちゃくちゃおいしいミルク味のアイス。
それがぼくにとっての『フォースの覚醒』なのだ。

マーベル映画と違いすでに40年以上も歴史をもった伝統あるシリーズとしては、この“王道かつ新鮮”という味付けが丁度よい塩梅なのかな、と感じる。
残念ながらその他の作品はどうもその辺りがうまくいっていないようで、新作『ハン・ソロ』もおいしいことはおいしいが今一歩新鮮さに欠けており、コンビニで売っているアイスの域を出ていない感は否めない。
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(C) 2018 Lucasfilm Ltd. All Rights Reserved.


興業的な苦戦もさることながら、観客のシリーズそのものへの関心が明らかに薄れつつあることでかつてない苦境に立たされたSWシリーズ。
まだ見ぬ“EP9”は、濃厚かつ後味さっぱりな極上のミルクアイスとなることを切に祈っている。
頼むから『最後のジェダイ』みたいに商品開発の段階で誤って世に出てしまうようなことにはならないでね(笑)。

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