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“薄口(うすくち)映画ファン 田口雄三の まったりシネマレビュー 第40回”
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【このコーナーでは、札幌映画サークルの会報“シネアスト”に掲載されている記事をピックアップして紹介しています。】


今月は、好評連載中の“薄口(うすくち)映画ファン 田口雄三の まったりシネマレビュー 第40回”をご紹介します。

* この記事は、札幌映画サークルの会報“シネアスト”2020年7月号(#564)から転載しました。



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“薄口(うすくち)映画ファン 田口雄三の まったりシネマレビュー 第40回”  『思い出の“洋画劇場”』
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(C) Universal



第40回 「思い出の“洋画劇場”」


6月12日、『バック・トゥ・ザ・フューチャー(BTTF)』が日本テレビの「金曜ロードSHOW!」にて放送された。
15年ぶりの地上波ゴールデンタイムでの放送というだけでなく、三部作を3週連続で一挙に放送するというのだから、「あのころの洋画劇場が帰ってきた!」と歓喜したのはぼくだけではないはずだ。
お気に入りの映画が放送されることがわかると数日前から胸が高鳴り、ビデオの録画予約を入念に準備し、放送時間が近づくとTVの前で正座して待っていたあの時代。
楽しくて懐かしい、少年時代の思い出である。

(C) Universal



・・・なんてことを書いたら昔はよかった的なダサいノスタルジーに陥りがちなんですが、今や我々はDVDやネット配信で気軽にたくさんの映画に触れられるという、とんでもなく幸福な時代に生きているわけで、それは素直に喜ぶべきことなんじゃないかなぁと思うんです。
ただ、もしもひとつだけ“あのころ”の方が優れている点があるのだとすれば、それは映画との適切な“距離感”が保たれていたということではないかとおもうんですよね。
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(C) Universal



なんていうか、あのころのTVの洋画劇場ってあらゆる意味で“ちょうどいい”存在だったと思うんです。
セルソフトの価格も高額で、レンタルビデオ店も今ほど身近にあるわけでもなかった時代において、観たい作品を自由に選べるわけではないにせよ、毎週必ず何かしらの作品を流してくれる洋画劇場は、便利さと不便利さを絶妙に兼ね備えた、まさに“ちょうどいい”存在だったんじゃないかなぁと。
不便利さ、不自由さがあったからこそ、映画を観られることに大きな有難味があり、好きな作品の放送や思わぬ良作との出会いに格別の幸福感が得られていたんじゃないかと思うんですね。
それと比べると、今は映画との距離が近くなり過ぎているんじゃないかなぁと。
“いつでも観られる”ってことは“いま観なくてもいい”ってことの裏返しでもあるわけで、映画というものの価値がずいぶん安くなってしまっているんじゃないかなぁと感じるんです。
酷いときにはYouTubeなんかと横一列に並べて“動画”と呼ばれる始末で、そんな状況には流石に違和感を覚えるんですよねぇ。

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(C) Universal



どんなものにも役割があるのだとするならば、残念ながらTVの洋画劇場はすでにその役割を終えた存在なんだろうと思います。
しかし、TVの前で『BTTF』や『ジュラシック・パーク』、『ゴジラ vs デストロイア』が流れるのをワクワクしながら正座して待っていたあの日々は、ぼくにとってはやっぱり忘れがたく、二度と訪れることのない貴重な体験だったよなぁ・・・と、ダサいノスタルジーにしみじみ浸りながら思う今日この頃なのでした。

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