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活動報告の詳細
6/08〜09 “ポーランド映画セレクション III”を開催します。 (ver. 2) 【終了しました】
2013.04.22
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【ネット・クーポン】
上映会当日、受付において、このトップページの画像を印刷または携帯端末、タブレット等で画面表示された時に、前売り料金でご入場していただくことが出来ますので、どうぞご利用ください。


札幌映画サークルは、北海道ポーランド文化協会と共催で、2011年4月に“ポーランド現代映画セレクション 2004 - 2009”、2012年5月に“ポーランド映画セレクション ?”と題した上映会を開催しました。

更に、2012年12月には、ポーランドのジャズ・デュオによるライブとロマン・ポランスキー監督の初期作品の数々のコラボレーション“ジャズ・ライブ de ポランスキー ポーランド・デュオと短編映画”を開催し、ご好評を得ました。

2013年もポーランド広報文化センターの協賛を得て、“ポーランド映画セレクション ?”を開催することになりました。

今回上映するプログラムは、1950年代から1960年代にかけて制作されたポーランド映画史に残る傑作5本と世界を驚かせたドキュメンタリーの問題作2本(監督2人も来場!)を一挙上映(札幌初上映)します。


上映作品は、以下の通りです・・・。

【ポーランド映画史に残る傑作群】 *デジタル上映
 ★ 『エロイカ/Eroica』(1957)
 ★ 『夏の終りの日/Ostatni Dzień Lata』(1958) *TV
 ★ 『沈黙の声/Nikt Nie Woła』(1960)
 ★ 『愛される方法/Jak Być Kochana』(1963)
 ★ 『サラゴザの写本/Rękopis Znaleziony W Saragossie』(1965)

【ドキュメンタリーの問題作】
 ★ 『私の叫びを聞け/Usłyszcie Mójkrzyk』(1991)
 ★ 『統合失調症/Schizofrenia』(2001)


上映日程・鑑賞料金
“ポーランド映画セレクション III”


【開催日時】
2013年6月8日(土)〜9日(日)

【会場】
札幌プラザ2・5 (札幌市中央区狸小路5丁目)

【上映時間】
6月8日(土) 開場9:30
 1) 10:00〜 『エロイカ』
 2) 12:00〜 『愛される方法』
 3) 14:00〜 “ドゥリガス監督、ジェラケヴィチュウテ監督講演会+作品上映
 4) 17:30〜 『沈黙の声』
 5) 19:30〜 『夏の終りの日』

6月9日(日) 開場9:30
 1) 10:00〜 『夏の終りの日』
 2) 11:30〜 『沈黙の声』
 3) 13:30〜 『愛される方法』
 4) 15:30〜 『エロイカ』
 5) 17:30〜 『サラゴザの写本』


【鑑賞料金】 (すべて1作品ごとの料金です)
前売り(一般) 1,000円 (当日1,200円)
シニア     1,000円 (前売り・当日共)
学生      500円  (当日700円)

<各作品完全入替制、但し、6/08の14:00〜のドキュメンタリー・プログラムのみ、上記料金で2作品をご覧いただけます>


*市内主要プレイガイドで前売り券を発売中!
  (札幌映画サークルで予約受付中→Tel、Fax、E-mail)


主催・・・ポーランド現代映画セレクション III実行委員会(北海道ポーランド文化協会、札幌映画サークル)

協賛・・・ポーランド広報文化センター

後援・・・札幌市、札幌市教育委員会

【ご予約・お問い合わせ】
札幌映画サークル (Tel & Fax 011-747-7314、Eメール sapporocinema@yahoo.co.jp)

作品紹介その1 『エロイカ/Eroica』(1957)
1957年/87分

監督・・・アンジェイ・ムンク/脚本・・・イエジー・ステファン・スタヴィンスキ/撮影・・・イエジー・ヴォイチック/音楽・・・ヤン・クレンツ

出演・・・エドヴァルド・ヂェヴォンスキ、バルバラ・ポロムスカ、イグナーチ・マホフスキ、カジミェシュ・ルヅキ、ヘンリク・バク、カジミェシュ・オパリンスキ、レオン・ニェムチック、他


わずか5本の長編作品を残し、40歳の若さで事故死したアンジェイ・ムンク監督は、硬質で無垢な芸術表現、残酷なまでの知的リアリズム、人間に対する深い洞察をもつ作風で、現在もなお色あせることなく多くの作家に影響を与えています。

ワルシャワ蜂起の内実と平和な収容所で起こる悲劇を2部構成で描いたこの作品は、“戦争”を主題に扱うことの多い“ポーランド派”の代表的な1本です。

作品紹介その2 『夏の終りの日/Ostatni Dzień Lata』(1958)
1958年/66分/TV作品

監督・・・タデウシュ・コンヴィツキ/脚本・・・タデウシュ・コンヴィツキ/撮影・・・ヤン・ラスコフスキー

出演・・・イレーナ・ラスコフスカ、ヤン・マフルスキ、他


戦争で精神を病んだ男と恋人を失った女のひとときの出会いを描いたこの作品は、来るべき“ヌーヴェル・ヴァーグ”の時代を予見したともいわれるタデウシュ・コンヴィツキ監督のデビュー作品です。

ポーランド文学を代表する作家でもある彼は、リトアニア生まれで、アンジェイ・ワイダやイエジー・カヴァレロヴィッチ作品の脚本家として映画界入りした異色の経歴を持っています。

ヒロイン役イレーナ・ラスコフスカは、実の妹です。

作品紹介その3 『沈黙の声/Nikt Nie Woła』(1960)
1960年/98分

監督・・・カジミェシュ・クッツ/原作・・・ユーゼフ・ヘン/脚本・・・ユーゼフ・ヘン/撮影・・・イエジー・ヴォイチック/音楽・・・ヴォイチェフ・キラール

出演・・・ゾフィア・マルツィンコフスカ、ヘンリク・ボウコロフスキ、バルバラ・クラフトフナ、他


“ポーランド派”の活躍した時期に作られた作品ながら長い間論じられることのなかった幻の傑作。

後の“ヌーヴェル・ヴァーグ”やミケランジェロ・アントニオーニ監督の作品群を予見した映画です。

逃亡兵と若い女の恋物語がわずかな台詞、ヴォイチェフ・キラルの音楽、大胆な画面構成で描かれ、製作当初からすぐに上映許可が下りなかった衝撃の1本です。

作品紹介その4 『愛される方法/Jak Być Kochana』(1963)
1963年/97分

監督・・・ヴォイチェフ・イエジー・ハス/原作・・・カジミェシュ・ブランディス/脚本・・・カジミェシュ・ブランディス/撮影・・・ステファン・マティヤシュキェヴィッチ

出演・・・バルバラ・クラフトフナ、ズビグニエフ・チブルスキー、アルトゥール・ミロドニツキ、他


K・ブランディスの同名小説に基づき、原作者自身が脚色した作品で、人気ラジオ女優がパリへ向かう機上で、戦時中ナチスに敵対した恋人と、彼を巡って自身が見舞われた悲劇を回想します。

ムンクの『パサジェルカ』と同じく、女性の視点を通じて戦争を見つめた作品です。

英雄的闘争は対象化され、1人の女性が抑圧や不条理を受容しつつ静かに抵抗する姿が描かれています。

* サンフランシスコ映画祭グランプリ受賞
作品紹介その5 『サラゴサの写本/Rękopis Znaleziony W Saragossie』(1965)
1965年/182分

監督・・・ヴォイチェフ・イエジー・ハス/原作・・・ヤン・ポトツキ 『サラゴサ手稿』/脚本・・・タデウシュ・クヴィアトコフスキ/撮影・・・ミエスチワフ・ヤホダ/音楽・・・クシシュトフ・ペンデレツキ

出演・・・ズビグニエフ・チブルスキー、イガ・ツェンブジンスカ、エルジュビェタ・チジェフスカ、グスタフ・ホロベック、他


17世紀のスペインを舞台に繰り広げられる愛と冒険の物語です。

現代音楽の鬼才ペンデレツキのサウンドに乗せて語られるこの作品は、“ポーランド派”以降登場した歴史・文芸路線の代表的な1本です。

夢の論理をそのまま視覚化したような迷宮感覚は、今見ても衝撃的です。

ルイス・ブニュエルをはじめ、フランシス・フォード・コッポラ、マーティン・スコセッシ、デヴィッド・リンチ、グレイトフル・デッドのジェリー・ガルシアらが熱狂した超カルト的な幻想怪奇譚です。

作品紹介その6 『私の叫びを聞け/Usłyszcie Mójkrzyk』(1991)
1991年/46分

監督・・・マチェイ・ドルィガス


1968年9月8日ポーランド、大々的に開催された収穫祭の観客席で初老の男が自らの身体に火をつけ、焼身自殺を遂げました。

この光景を記録する残されたわずか7秒の映像を頼りに、事故の全貌、彼の動機、そして人間像などが、目撃者の証言を基に考察されます。

歴史の闇へと葬られた真実へと迫る、社会サスペンス・ドキュメンタリーです。

作品紹介その7 『統合失調症/Schizofrenia』(2001)
2001年/58分

監督・・・ヴィタ・ジェラケヴィチュウテ


ソ連では、1967年から1987年にかけて政治犯を“統合失調”と称し、市民権を奪い、特別施設に収容していました。

カメラが収容所へと入り、その真実を暴きます。
政治犯の内面、彼らを治療する医師の人間性などが、カメラを通し探求される衝撃の歴史ドキュメンタリー作品です。

来札監督紹介その1 マチェイ・ドルィガス監督
マチェイ・ドルィガス Maciej Drygas (1956- )

ウッチ生まれ。1979年、モスクワ映画大学演出家卒業。帰国後、クシシュトフ・キェシロフスキ監督の助手を務める。

ポーランド国立ウッチ映画大学教員。同ミロスワフ・デンビンスキとともに、2011年に世界5都市(モスクワ、キエフ、ミンスク、北京、東京)で開かれた、映画大学学生のためのワークショップ『世界の夜明けから夕暮れまで』の発案者の一人である。

主要な作品は、『私の叫びを聞け』(1991)『希望の声』(2002)『ポーランド人民共和国の一日』(2005)『他人の手紙』(2010)の“社会主義ポーランド4部作”、ソ連宇宙飛行士の内面に迫った『無重力状態』(1994)、スーダンで長期撮影された『私たちすべての声を聞け』(2008)と最新作『アブ・ハラズ』(2013)。

「私は映画監督である以前に、考古学者だ」と語るドルィガスは、アーカイヴ映像に音楽・コメントを加える手法で知られる。非人間的な現実を告発するドキュメントを「映像詩」に高めた。寡作だが、国際的評価は極めて高い。

フェリック賞(欧州最優秀記録映画賞)、クラクフ映画祭“銀の竜”、モンテカルロ映画祭グランプリ、サン・フランシスコ映画祭金門賞、ウッチ映画祭“白いコブラ賞”など、受賞多数。

映画監督のほか、文筆にも携わる。2013年4月20日には、ワルシャワ国立歌劇場で、ドルィガスの台本にパヴェウ・シマンスキ(1954- )が作曲したオペラ『クゥドシェ・ゼヘル/Qudsja Zaher』の初演が行われた。シマンスキは、ドルィガス監督と長年協働を続ける、現代ポーランド音楽を代表する作曲家。『私の叫びを聞け』『他人の手紙』にも、彼の楽曲が使われている。

来札監督紹介その2 ヴィタ・ジェラケヴィチュテ監督
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ヴィタ・ジェラケヴィチュテ Vita Żelakeviciute (1959- )

カウナス(リトアニア)生まれ。モスクワ映画大学に学ぶ。1998年、ウッチ映画大学演出家卒業。

代表作に、ソ連の犯罪者矯正システムを暴いた『統合失調症』(2001)、カリーニングラード(ロシア)刑務所内にある精神療養所の実情にメスを入れた『壁の向こう』(2007)がある。

ヒューストン映画祭ゴールド・レミー賞、ウッチ映画祭“白いコブラ賞”、キェルツェ映画祭グランプリなど受賞。

アンジェイ・ワイダ映画演出マスター・スクール教員。ワークショップ“世界の夜明けから夕暮れまで”指導教員。

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