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活動報告の詳細
10/23〜24 恒例イベント “日本映画名作祭2014”を開催します。 (ver. 6) 【終了しました】
2014.09.28
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札幌映画サークルは、2014年10月23日(木)〜24日(金)の2日間、札幌市生涯学習総合センター“ちえりあホール”において、恒例になっている“日本映画名作祭2014”を開催し、日本映画の名作を上映します。

(すべて35mmプリントで上映 →一部音声トラックが劣化しています。お聴き苦しいことをご了承ください)


2014年は、“たくましく昭和を生きた女たち”というテーマで選択した作品4本を紹介します。

また、今回は・・・3年ぶりに楢部一視さんの講演会も両日開催します。

今年のテーマは・・・

 “日本人も映画も若かった ――
   「恥ずかしくない生き方をしたい」と素直に言えた時代の4名作 ――”


2014年の上映作品は・・・

  ☆ 『煙突の見える場所』
       (1953/五所平之助監督/新東宝=スタジオ8プロ)
  ☆ 『この広い空のどこかに』
       (1954/小林正樹監督/松竹)
  ☆ 『裸の島』
       (1960/新藤兼人監督/近代映画協会)
  ☆ 『名もなく貧しく美しく』
       (1961/松山善三監督/東京映画)


上映する各作品の紹介は、下記に掲載してある“日本映画名作祭2014 作品紹介・その1〜4”に掲載しています。


上映日程
平成26年度優秀映画鑑賞推進事業 (第19回)

“日本映画名作祭2014”

『 煙 突 の 見 え る 場 所 』/『 こ の 広 い 空 の ど こ か に 』
/ 『 裸 の 島 』/『 名 も な く 貧 し く 美 し く 』


【会場】
  札幌市生涯学習総合センター“ちえりあ”1Fホール
      (札幌市西区宮の沢1条1丁目1-10)


【上映時間】 開場時間は上映開始の各15〜20分前
  10月23日(木)
     10:30〜12:18 「煙突の見える場所」
     13:00〜14:49 「この広い空のどこかに」
     15:00〜16:00 “講演 楢部一視さん” 
     16:30〜18:06 「裸の島」
     18:30〜20:38 「名もなく貧しく美しく」

  10月24日(金)
     10:30〜12:38 「名もなく貧しく美しく」
     13:00〜14:36 「裸の島」
     15:00〜16:00 “講演 楢部一視さん”
     16:30〜18:19 「この広い空のどこかに」
     18:30〜20:18 「煙突の見える場所」


【鑑賞料金】
1作品・・・500円
(1作品ごとの完全入替制→続けてご覧になる場合も一度退席していただきます)

【前売り券販売】
ちえりあ1Fメディアプラザ、くすみ書房(大谷地)、大丸藤井、道新、教文の各プレイガイドで09/01より発売!
(札幌映画サークルで予約も受付中→Tel・Fax・Eメール)

前売り券・当日券とも料金は同じですが、前売り券をお持ちの方の入場を優先とさせていただきます。 (お席は自由席です)


【主催】
優秀映画鑑賞推進事業実行委員会(財団法人・札幌市生涯学習振興財団、札幌映画サークル)、文化庁、東京国立近代美術館フィルムセンター

【後援】
札幌市、札幌市教育委員会

【特別協力】
(社)日本映画製作者連盟、全国興業生活衛生同業組合連合会

【協賛】
松竹ブロードキャスティング株式会社

【協力】
株式会社オーエムシー

【事務局】
(財)札幌市生涯学習振興財団(札幌市西区宮の沢1条1丁目1-10 札幌市生涯学習総合センター1F Tel:011-671-3425)

【お問い合わせ】
札幌映画サークル (札幌市北区北6条西6丁目 第1山崎ビル1F)
Tel:011-747-7314
* 留守番電話対応のため折り返しご連絡します


【お願い】
“ちえりあ”には、公共交通機関をご利用の上、ご来場ください。また、ホール内が冷え込んでいる場合がありますので、暖かい服装でお越しくださるようお願いします。

当日券の発売もありますが、前売り入場券をお持ちの方を優先入場させていただきます。

満席の場合、入場券をお持ちの場合でも、ご入場いただけない場合がありますので、ご了承ください。

ご購入後の変更・返金は一切いたしません。

入場券の再発行はいたしません。

“日本映画名作祭2014 作品紹介その1” 『煙突の見える場所』
平成26年度優秀映画鑑賞推進事業
“日本映画名作祭2014”

☆  『 煙 突 の 見 え る 場 所 』 【1953年03月05日封切り】

1953年/新東宝=スタジオ8プロ/モノクロ/スタンダード/108分

五所平之助監督作品/製作・・・内山義重/原作・・・椎名麟三「無邪気な人々」/脚本・・・小国英雄/撮影・・・三浦光雄/照明・・・河野愛三/録音・・・道源勇二/音楽・・・芥川也寸志/美術・・・下川原友雄


出演・・・田中絹代(緒方弘子)、上原謙(夫・隆吉)、高峰秀子(東仙子)、芥川比呂志(久保健三)、関千恵子(池田雪子)、花井蘭子(石橋勝子)、坂本武(河村徳治)、田中春男(弘子の前夫・塚原忠二郎)、三好栄子(灘らん子)、中村是好(夫・勇)、浦辺粂子(野島加代)、星ひかる(北清作)、小倉繁(医師・金子大助)、他


東京・千住にある、見る場所によっては四本にも一本にも見えるという巨大な“お化け煙突”。
この界隈を舞台に、戦後の日本を生きる庶民の悲喜こもごもを描き出した五所平之助監督の代表作。

足袋問屋に勤める実直な中年男・緒方隆吉は、戦災未亡人であった妻・弘子とつつましく暮らしている。
生活の足しにと二階を税務署員の久保健三と、街頭広告のアナウンス嬢・東仙子に間貸ししているが、そこに見も知らぬ赤ん坊が置き去りにされていたことから、一騒動が持ち上がる。

実存主義的な作風で知られる椎名麟三の短編「無邪気な人々」を中心に、黒澤明作品で知られる小国英雄が脚本を書き、五所監督自らが主宰する独立プロダクションで製作した“不思議な笑い”を醸し出す一篇となった。


* 1953年第27回キネマ旬報ベスト10 日本映画部門第4位


【上映時間】
10月23日(木) 10:30〜12:18
10月24日(金) 18:30〜20:18

“日本映画名作祭2014 作品紹介その2” 『この広い空のどこかに』
平成26年度優秀映画鑑賞推進事業
“日本映画名作祭2014”

☆  『 こ の 広 い 空 の ど こ か に 』 【1954年11月23日封切り】

1954年/松竹/モノクロ/スタンダード/109分

小林正樹監督作品/製作・・・久保光三/脚本・・・楠田芳子/潤色・・・松山善太/撮影・・・森田俊保/照明・・・豊島良三/録音・・・大野久男/音楽・・・木下忠司/美術・・・平高主計


出演・・・佐田啓二(若主人・良一)、久我美子(妻・ひろ子)、高峰秀子(妹・泰子)、石浜朗(弟・登)、大木実(俊どん)、小林トシ子(妹・房子)、田浦正巳(三井)、浦辺粂子(母・しげ)、中北千枝子(夏子)、三好栄子(近所の老婆)、日守新一(近所の人・今井)、内田良平(信吉)、他


どこにでもある街の酒屋。働き者の若主人と嫁いできたばかりのその妻。一緒に暮らすのは、若主人にとって亡くなった父の後妻である義理の母と、その子供である妹と弟。
気がかりは、戦争で足を悪くして家に引きこもりがちな妹。
そんな平凡な家族でおこるささやかな誤解と、やがて来る和解。

人物の感情の流れを細やかに、かつ鮮やかにとらえたホーム・ドラマの名作。
木下惠介監督の門下として前々年にデビューし、その後、『人間の條件』(1956〜1961)や『怪談』(1964)などの大作により、世界的巨匠となった小林正樹監督による第四作目である。


【上映時間】
10月23日(木) 13:00〜14:49
10月24日(金) 16:30〜18:19
“日本映画名作祭2014 作品紹介その3” 『裸の島』
平成26年度優秀映画鑑賞推進事業
“日本映画名作祭2014”

☆  『 裸 の 島 』 【1960年11月23日封切り】

1960年/近代映画協会/モノクロ/シネマスコープ/96分

新藤兼人監督作品/製作・・・新藤兼人、松浦栄策/脚本・・・新藤兼人/撮影・・・黒田清巳/照明・・・永井俊一/録音・・・丸山国衛/音楽・・・林光

出演・・・乙羽信子(トヨ)、殿山泰司(夫・千太)、田中伸二(息子・太郎)、堀本正紀(息子・次郎)、他


瀬戸内海の小さな無人島に、一組の夫婦が渡ってきた。千太と妻のトヨには8歳になる太郎と6歳の次郎の二人の子供がいた。
わずかな土地を耕し、段々畑に麦とサツマイモを植えて生活している。しかし、島には川も井戸さえもない。
小船を漕いで隣の島まで水を汲みにいき、やっと運んできた水を天秤棒でかつぎながら、険しい斜面を登っていく作業は、並大抵の苦労ではない。
トヨは誤って手桶の水をこぼしてしまう。千太は妻の頬に平手打ちをくらわせる。それほど水はかけがえのないものなのだ。

一言もセリフのないこの映画の中で、長男の太郎が急病になり、医者が間に合わず死んでしまう場面は、見るものに悲痛な感情をもたらす。
それでも二人は黙々と働きつづけるしかないのだ。

新藤兼人監督自ら出資して、わずか13人のスタッフで、現地に合宿生活をして完成されたこの作品は、近代映画協会の自主配給で公開されたが、第2回モスクワ映画祭でグランプリを獲得するにおよび、世界64か国に輸出された。


* 1960年第34回キネマ旬報ベスト10 日本映画部門第6位


【上映時間】
10月23日(木) 16:30〜18:06
10月24日(金) 13:00〜14:36

“日本映画名作祭2014 作品紹介その4” 『名もなく貧しく美しく』
平成26年度優秀映画鑑賞推進事業
“日本映画名作祭2014”

☆  『 名 も な く 貧 し く 美 し く 』 【1961年01月15日封切り】

1961年/東京映画/モノクロ/シネマスコープ/128分

松山善三監督作品/製作・・・藤本真澄、角田健一郎/脚本・・・松山善三/撮影・・・玉井正夫/照明・・・石井長四郎/録音・・・長岡憲治/音楽・・・林光/美術・・・中古智、狩野健

出演・・・高峰秀子(片山秋子)、小林桂樹(夫・道夫)、原泉(秋子の母・たま)、草笛光子(秋子の姉・信子)、沼田曜一(秋子の弟・弘一)、賀原夏子(道夫の母親)、織田政雄(道夫の叔父)、島津雅彦(秋子の息子・一郎)、王田秀夫(5年生の一郎)、多々良純(沢野洋服店主)、加山雄三(上野アキラ)、他


木下惠介監督の下でシナリオの修業を積み、助監督を務めた松山善三の第1回監督作品である。

聾唖学校の同窓会で出会い、結ばれた道夫と秋子は、貧しいながらも身を寄せ合い、懸命に生きている。
やがて夫婦には子どもが生まれ、暮しも落ち着きかけたが、素行の悪い秋子の弟に、金の問題で繰り返し悩まされる。
絶望した秋子を電車の窓ガラス越しに道夫が励ます姿は、手話によって二人の絆が語られる美しい場面であり、印象深い。

本作は、松山が自らの監督デビュー作として準備してきたもので、“靴磨きの聾唖夫婦”という設定に松竹は難色を示したが、東宝のプロデューサー藤本真澄の判断で映画化が実現した。
同年の毎日映画コンクール、ブルーリボン賞・脚本賞を受賞するなど高い評価を受け、興業的にも成功した。
“高峰秀子の夫”というイメージがあった松山は、本作によって、一躍映画監督として確固たる地位を築いた。


* 1961年第35回キネマ旬報ベスト10 日本映画部門第5位


【上映時間】
10月23日(木) 18:30〜20:38
10月24日(金) 10:30〜12:38

“平成26年度優秀映画鑑賞推進事業”について・・・
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優秀映画鑑賞推進事業とは、広く国民の皆様に優れた映画を鑑賞していただくとともに、映画保存への理解を深めていただくことを目的に、文化庁と東京国立近代美術館フィルムセンターが、日本各地の文化施設と連携・協力して、所蔵映画フィルムを全国の会場で巡回上映させる事業で、平成元年度から実施しております。

平成26年度は、昭和11年から平成5年にかけて製作されました日本映画の中から、映画史を代表する作品や多くの国民より好評を得た作品を選んで、各地で上映いたします。皆様には、スクリーンを通して映画芸術の原点となる映画の素晴らしさをご理解いただき、本事業が地域における上映活動や文化活動を活性化させる一助となることを期待しております。

平成26年度は、各プログラム4作品で構成されるA〜Yの25プログラムを全国192会場で上映します。
手頃な料金でご鑑賞いただけますので、この機会にぜひ会場に足をお運びください。

【楢部一視さんのプロフィル】
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1932年東京生まれ。
中学・高校・大学とも早稲田に学び、1948年、上野高校で発足した“映画之友友之会”の第1期生。
以後、淀川長治氏を人生の師と仰ぐ。
大学時代に雑誌『劇評』社に所属、三島由紀夫、戸板康二、津村英夫の各氏に学びました。
1955年松竹入社。京都・大船両撮影所でプロデューサー助手時代を経て、映画、テレビを通じ三浦綾子作品を多く担当しました。
その縁で1978年から札幌在住。
現在“アトリエ楢部”を主宰し、映画・演劇活動者の育成を支援しています。また、趣味の“文楽”、“歌舞伎”など伝統芸能の解説・普及に努めています。
『映画批評研究』津村会会員。
札幌映画サークル会員。

2010年の“木下惠介監督特集”、2011年の“成瀬巳喜男監督特集”の講演以来、3年ぶりに講師をお願いしました。


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